-メニエール病(目まい)の治療「早期の生活改善」と「薬物療法」-


メニエール病の治療「早期の生活改善」と「薬物療法」

メニエール病の症状と原因

メニエール病は、内耳を満たしているリンパ液が過剰になり、「水ぶくれ」になる病気です。内耳は、平衡感覚をつかさどったり位置を感知したりする三半規管や耳石器などの器官が集まっています。これが水ぶくれでうまく働かなくなり、耳鳴り、難聴、ぐるぐる回る回転性のめまい発作が繰り返し起きます。悪化すると治療は難しく、厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されています。患者は十万人当たり十数人ほどで、女性の方が多いです。

水ぶくれの原因は不明ですが、ストレスによる自律神経や内分泌系の失調が一因とも見られています。東海大教授の高橋正紘さん(耳鼻咽喉科)は患者200人を詳しく調べ、発症に個人の性格が関連していることを突き止めました。

親や上司の期待に沿うよう努力し、嫌なことは我慢するなど、人からの評価に敏感で徹底的に仕事をする人が、そうでない人より二倍以上、発症しやすいことが分かりました。


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メニエール病の「早期の生活改善」

メニエール病は生活習慣病ですので、治療として徹底した生活指導が行われます。

1.週何回かは、汗をかく程度の運動を行う。

2.毎週一日は必ず休日を取り、自分の楽しみに時間を使ってストレスを発散する。

3.長時間労働を避ける(夜9時以降は仕事をしない)。

以上のように、体に負担をかける生活を改めます。

高橋さんは「メニエール病はライフスタイルが影響する生活習慣病。進行すると治療は難しいが、発症から一年以内の早い段階で生活を改善すれば完治も見込める」と強調します。同病院は月曜日午後、めまい外来を開いています。

メニエール病の「薬物療法」

一方、薬物療法を行う医療機関もあります。埼玉医大名誉教授で新宿恒心クリニック、めまい.平衡障害・耳鳴りセンター長の坂田英治さんは「中耳腔ステロイド剤注人法」を実施しています。

めまいは、内耳の器官が異常に反応し、それが脳に伝わって起きます。ステロイド剤にはこの興奮を鎮める作用があり、中耳に薬剤を注入し、その奥の内耳にしみこませる方法です。

鼓膜に注射針を刺し、10秒ほどかけて中耳に流し込みます。これを1-2週間ごとに2-3回行います。坂田さんによると、病状が早期なら、約八割の患者に症状の改善など効果がありました。ステロイド剤は局所への注入なので、副作用は心配ないそうです。

こうした内耳への薬剤の局所投与は、厚生労働省研究班も効果を詳しく調べる研究を進めています。

坂田さんは「めまいや耳鳴り、難聴は、脳梗塞など命にかかわる病気が原因の場合もある。症状があれば、早めに専門医を受診するべきだ」と話しています。


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関連医療機関

東海大学医学部付属病院

新宿恒心クリニック


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